助け合いの再出発

1階部分は天井まで浸水しているから、再出発するには建て直した⽅が良いんじゃないかと思っていたのですが、義母が物を⼤切にする性格だったので「まだ使えるので、わざわざ壊さなくてもいいんじゃないの?」と言い、結局壊さずに修復させて民宿の再開を目指すことになりました。
そこから学生中心のボランティアの人たちが来てくれるようになり、1階部分の泥や使えなくなってしまった家財の取り除きや処分をしてくれて、今インタビューを受けている部屋(食事処)も元々は畳の部屋だったのですが、すべて床に張り替えてくれたんです。もちろん専門の人が施⼯したわけではないのであちこち軋みなどはあるのですが、きれいに直してくれて。
そして、復興⼯事が始まるにつれて、気仙沼に仮設住宅の⼯事などで職⼈さんたちなどが来たのですが、彼らの泊まる場所が無かったため、まだ民宿は運営を再開できる状態の前でしたが、宿泊させてあげました。そしたら職人さんたちが宿泊のお礼にと、壁紙や家具の修理をしてくれて。職人さんがそれぞれ現場で余った材料を使用して無償で作業をしてくださり、その作業も日中の作業が終わった後の夜に⾏ってくれました。家具でいうと、この部屋で使用しているテーブルも元々は座卓だったのですが、脚を補強し、高さも合わせてテーブルに作り替えてくださったんです。他にも仮設現場で使用が終わった冷蔵庫や洗濯機などの家電製品を寄付してくれて、そんな皆さんのお力があり、3⽉に被災してから5か月後の8月末に営業を再開させることができました。

インタビューした人:
宮城県気仙沼市内にある⺠宿「さかや」の⼥将さん
この記事を書いた人 :30代 男性 M・H


TOHOKU VOICE

相日防災 東北視察 全社員統一プロジェクト

2021年3月~2022年3月にかけて総勢130名の相日防災株式会社の社員が4~5名ほどのチームを組み、東日本大震災の被災地(岩手県・宮城県・福島県)へ視察に赴きました。ここTOHOKU VOICE(トーホクボイス)では、その視察で聞いた生の声や、それぞれが感じたことをレポートにしたものを抜粋して、一言ずつご紹介しています。
●現地の声を、極力そのまま掲載しております。
●会話の一部を抜粋し、メッセージのように掲載しております。

※TOHOKU VOICE は、現地で聞いた生の声をそのまま掲載するよう心がけ編集されております。一部、内容を正確に伝えるための編集が加わっていることをご理解ください。(主語の補足、倒置法の修正等)
※また、現地の声を耳で聞いたものをメモやボイスレコーダーに記録し、それを元に文字を起こしていますので、言い間違い、聞き間違い等が含まれている可能性があります。