教えを守ることの難しさ

岩手県の三陸沿岸にある教えで「津波てんでんこ」というものがあります。この教えは訪れる先々で聞かれました。「てんでんこ」とは「各自で、各々で」という意味の方言で「津波が来たら周りを気にせずてんでんばらばらに、それぞれ逃げなさい」という意味だそうです。 この教えを実行するにあたり大事なことは、
1・避難場所を確認しておく
2・避難手段を決めておく
3・家族を信じて逃げる
ということだそうです。三陸の方々にこの教えは90%近く浸透しているそうなのですが、東日本大震災当時の映像を見せていただいた際、地震発生後、自宅に車で帰る途中と思われる車が渋滞し、横から津波が押し寄せ車を吞み込んでいきました。これだけ教えが浸透している地域でも大事な家族の元に戻ってしまうということは、実際に震災に直面した時、教えを守ることの難しさを表していると思います。