熱中症にかかった人のことを「被災者」って呼ぶんだ・・・熱中症も災害の一つ、熱中症対策も「防災」なんだね。
熱中症対策って言っても色々あるけど・・・ボウサイカくんは「プレクーリング」って知ってる?
ぷれくるー・・・?
「プレクーリング」は熱中症対策法の一つよ。運動前や作業前に冷たい飲み物なんかを飲むことで、深部体温をあらかじめ下げておくの。
そうなんだあ。冷蔵庫で冷やした飲み物でいいのかな?
それもいいけど、「アイススラリー」を飲むとより効果的ね。
新しい単語がどんどん出てくるね・・・。「アイススラリー」って?
液体と細かい氷の混合物よ。あらかじめ冷凍しておいてから飲むの。 水より冷却能力があって、氷より飲みやすい形状だから「プレクーリング」におすすめなの!
作業の前に深部体温を下げて熱中症予防!
詳しく知ろう
- 筋肉痛や頭痛も熱中症のサインかも
- 熱中症が疑われる時は、涼しい日陰の場所に移動し休ませる
- 運動前・作業前は「アイススラリー」を使った「プレクーリング」が有効
熱中症の症状
熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を言います。熱中症の主な症状は以下の通りです。
<軽症>
・めまい
・立ちくらみ
・筋肉痛
・汗がとまらない
<中等症>
・頭痛
・吐き気
・体がだるい(倦怠感)
・虚脱感
<重症>
・意識がない
・けいれん
・高い体温である
・呼びかけに対し適切に応じられない
・まっすぐ歩けない
・走れない
特に軽症、中等症については慢性的な体調不良の可能性もあり、原因が熱中症と疑うことを忘れがちです。何かしらの症状が見受けられる場合は、
・涼しい日陰の場所に移動し休ませる
・上着を脱がせ、服をゆるめて風通しを良くする
・皮膚に濡らしたタオルやハンカチをあて、うちわや扇風機であおぐ
・氷のうや冷えたペットボトルなどを、首、脇の下、足のつけ根にあてて冷やす
・水分・塩分を補給する
・服の上から少しずつ冷やした水をかける
など適切な処置が必要です。熱中症を疑われる作業員を休ませましたが、日向であったために亡くなってしまったケースもあります。
自力で水が飲めない、または意識がない場合は、ためらわず救急車を呼びましょう。
プレクーリング
新たな熱中症対策として、「アイススラリー」を使った「プレクーリング」が注目されています。
「スラリー」とは個体と液体の混合物です。「アイススラリー」は冷凍しておき、解凍しながら飲みます。冷凍しておくと水以上の冷却能力と氷以上の流動性を発揮する形状をしています(図説)。
冷たいアイススラリーが食道、胃、腸へ貼りつきながら流れていくので、消化管粘膜への接触面が多く、冷却効果が高いとされています。
ウォーミングアップの前に飲んでおく=プレクーリングとしての利用は特に冷却効率が良く、おすすめです。
アイススラリーは、ある程度解凍した状態であれば、手で握っているのも体温を下げるのに効果的です。
手のひらには、動脈と静脈を結ぶ「AVA(動静脈ふん合)血管」という血管が流れています。「AVA血管」は主に手のひら、足の裏、顔の表面の一部にある血管です。体温が上がった時、「AVA血管」は大量の血液を流し、手のひらや足の裏等から放熱しています。
「AVA血管」を冷やすと、冷えた血液が体中をめぐり、深部体温を下げることができます。
なお、冷やしすぎるとかえって血管を閉じてしまいます。「手のひら冷却」は12℃程度のもので冷やすと良いとされています。アイススラリーを使って「手のひら冷却」を行う場合は、冷凍したばかりのものより、ある程度解けたものをおすすめします。
作業の前に深部体温を下げて熱中症予防!
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できることから少しずつ、防災を自分ごとにしましょう!