津波だって元は海の水なわけだし、海で泳いでるようなものだよね?「避難持出袋」に浮き輪とか入ってればいいのにね!
すぐにひっくり返っちゃうわよ!津波はものすごい勢いで、しかも汚いの!口や傷口から体に入ったらすごーく危険なんだから!
え?!じゃあすぐに病院へ!
・・・って、駆け込める状況じゃないよね・・・
巻き込まれるか!巻き込まれないか!!一瞬の判断が命取りよ!
流される感覚を想像してみよう
津波に飲まれることを、川や海を泳ぐのと同じようにとらえていませんか?
NHKの首都圏防災情報サイト「シュトボー」では、2018年の西日本豪雨を再現した避難体験のレポートが見られます👇
激甚化する気象災害。豪雨や台風で多くの命が失われています。 どう備えればいいのか?浸水した部屋から避難する体験をして感じました。 「私はこの実験を一生忘れないと思います。水の中の避難は想像以上に難しく、焦りが冷静な避難行動を妨げます。実験中の私と同じ状況になって、後悔する人が一人でも減ってほしい」
こちらの記事では6畳ほどの部屋に見立てた水槽に水を流し込み、実際にそこから避難を試みる体験のレポートを読むことができます。
とてもリアルなレポートで、水圧や水の冷たさ、体力がすり減っていく不安感、水位が上がり続ける恐ろしさがありありと感じられます。
・・・思っていた津波と違いませんか?
この状況に陥ったとき、あなたならどうしますか?
「黒い津波」は水ではない
東日本大震災の津波は「黒い津波」だったと言われています。
海の底のヘドロを巻き上げた津波は黒く、表層の海水よりも10~30%ほど重たくなるという研究結果もあるそうです。「この程度なら・・・」と思うような数十センチの水位でも、より威力を増すのです。
重たくて密度が濃い黒い津波は、普通の水よりもずっと破壊力が強く、浮力も強いということです。
膝下くらいの水位でも成人男性の足を押し倒します。
強い浮力で家屋を簡単に押し流します。
普通の水とはわけが違うことを知っておかなければいけません。
「備えmemo #1-1波の高さ」にある「浸水深」の話・・・ただの水で想定するのと、「黒い津波」で想定するのでは、被害の状況はガラリと変わるわね
生き延びても残る健康被害
また、津波には、巻き込まれたタンクから流出した重油やガソリンといったものも含まれています。
その汚い水が口や傷口から体に入り込むことで死に至ったり、津波から生き延びても、「黒い津波」を吸い込んだことで健康被害が起きることがあります。
「津波に巻き込まれ、土砂・病原菌・重油などで汚濁した海水が肺に侵入することによって引き起こされる重篤な肺炎」は「津波肺」と呼ばれています。
(出典:デジタル大辞泉(小学館))
津波に含まれたヘドロなどの粒子は極めて小さく、その極小の粒子が肺の奥深くまで侵入し、肺炎など難治性の病をもたらすのです。
★より詳しく知りたい方へ
・NHKスペシャル「“黒い津波” 知られざる実像」再編記事
多くの目撃者たちが異口同音に“黒い”と言い表してきた、巨大津波の真の姿。最新の解析や調査結果を当時の映像や証言と照らし合わせ、黒い津波の正体を初めて解明する。
流されない、巻き込まれないための避難が大事だね!
本日の『備えmemo』はいかがでしたか?
ここまで4回にわたって津波の特徴をお届けしました。
\頭のスミにメモって安心/
できることから少しずつ、防災を自分ごとにしましょう!