※2016年10月28日に投稿された記事を再編集したものです

阪神・淡路大震災は、1995年1月17日午前5時46分明石海峡を震源に起こりました。被災地の一部は震度7(マグニチュード7・3)の激震となり、死者、行方不明者は6437名、建物の全壊、半壊は約46万世帯にものぼりました。崩れた高速道路から半分はみ出して停車していたスキーバスや、神戸長田区の商店街を焼き尽くす火災などの光景を思い出す方は多いのではないでしょうか。

決して忘れてはいけないこと

阪神・淡路大震災
1995年1月17日午前5時46分52秒
淡路島北部沖の明石海峡を震源とするマグニチュード7.3の地震
死者:6,434名、行方不明者:3名、負傷者:43,792名

早いものでその震災から今年で25年です。被災地の復興はめざましく、震災を経験していない住民が増えるなどして震災の記憶の風化が懸念されています。

神戸の経験は東日本で生かされ、東日本の経験がまた次に生きるよう私たちには、震災を忘れず大震災とその復興によって得た教訓を国内外に発信し続けることが重要です。

当サイトにお越し頂いている皆様は、防災意識の高い方に違いありません。

南海トラフ巨大地震がいつ起こってもおかしくない状況のなか、地震の発生を止められない以上、起きてしまった時の被害を最小限にとどめられるように、改めてご自身の身の回りを点検して頂ければと思います。

家具の転倒防止対策はされていますか?

阪神・淡路大震災の死者の80%相当、約5000人は圧死でした。

カセットコンロとカセットガスは用意されていますか?

電気は殆どの地域で3日から1週間程度で復旧が可能でしたが、地下に埋まっている水道・ガスの復旧には約3か月を要しました。

3日~1週間分の家族の食事や水はいかがでしょうか。また、水洗トイレも使えませんので簡易トイレも必要です。

未だ行政をあてにされている方をお見受けしますが、被災時に普段に近い生活を確保するためには、自助努力が必要です。

その時に後悔しないように、1月17日には阪神・淡路大震災を思い出し、亡くなられた方のご冥福をお祈りしながら、じっくりと「我が家の防災対策」について考えてみてはいかがでしょう。

阪神・淡路大震災で生まれたもの

災害用伝言ダイヤル「171」

国内で大規模な災害が発生した際、電話を用いて音声による伝言板の役割をなすシステムです。

阪神・淡路大震災の時、電話の繋がらない状態が5日間も続いたことをきっかけに開発。

1998年3月31日から運用開始され、実際に初めて開設されたのは、1998年8月27日の栃木県・福島県の集中豪雨でした。

災害ボランティア

阪神・淡路大震災では、約137万人のボランティアが全国から駆けつけ「ボランティア元年」と言う言葉を生みました。

同年7月には政府の「防災基本計画」に「防災ボランティア活動の環境整備」「ボランティアの受入れ」に関する項目が設けられ、毎年1月17日を「防災とボランティアの日」、1月15日から21日を「防災とボランティア週間」とする事も定められました。

阪神・淡路大震災で生まれた防災グッズ

アキモトの缶入りソフトパン (株) パン・アキモト

アキモトのパンの缶詰 PANCAN

阪神・淡路大震災の際、アキモトではトラックを準備し、救援物資として焼きたてのパンを被災者へ届けましたが地震による混乱のため、せっかく作ったパンは半分以上が「賞味期限切れ」となり、処分されてしまいました。

この出来事を教訓に、「焼きたてのような食感や風味で、やわらかくて美味しくて、しかも乾パンのように保存性のある製品」を開発しました。

水だけあれば餅 (株) クロレラ科学研究所

水戻り餅 水をそそげばアッというまにきなこ餅・しょうゆ餅・あんこ餅

神戸市内にあるメーカーさんの、阪神・淡路大震災時の被災体験から生まれました。

電気やガスが使えない災害時でも、少しの水さえあれば、いつでもどこでも食べることができる優れもの。

お餅の上から水をそそげば、アッという間にやわらかいお餅の出来上がり!

レスキューフーズ ホリカフーズ(株)

レスキューフーズ ホリカフーズ

ホリカフーズは、すでに自衛隊向けの非常食を納品してきた実績はあるものの一般向けの非常食は販売していませんでした。

阪神・淡路大震災の被災者へ調査すると、温かい食事を摂れるものがほとんどないことに気づき、火を使わなくても温かいものが食べられる非常食の開発をはじめました。

被災者のニーズをもとに、主食のご飯にカレー・牛丼などの副食を組み合わせた他、みそ汁などのスープも加え、食事としての開発が進められました。

缶詰マッチ (株)ナカムラ

防災用缶詰マッチ[マッチ&ローソクの缶詰]

神戸市内で被災したメーカー(株)ナカムラが開発。

阪神・淡路大震災の教訓を活かし、緊急避難時対策商品として企画されました。

災害時長期保存用で、缶を開けなければ中のマッチも湿気らない、完全防水仕様。

ラクラク39バール (株) タニコー

ラクラク39バール

阪神・淡路大震災を体験した代表水谷氏は、近隣の人たちの救助活動を目の当たりにし、「バールのようなものを持っていれば、もっと楽に救助ができる」と痛烈に感じます。

その後、東日本大震災の際にそのことを思い起こし、被災地にバールを送ろうとホームセンターに飛び込んだところ、そこには細く重たいバールしかなく、女性や高齢者では扱うことが難しく、いざというときに使いづらいのではないかと気付きます。

「“もっと楽に使える”バールを作れないか」これがきっかけで緊急救助用バールの試作を始めました。