※2018年11月05日に投稿された記事を再編集したものです
近年、食物アレルギーを発症する人が増えています。東京都の3歳児検診の統計によると、この10年間に罹患率は2倍以上になっています。もしもの災害時、避難所がアレルギー対応の非常食を備蓄しているとは限りません。
特定原材料等27品目とは?
食品衛生法で、表示することが定められたアレルギー原因物質は、とくに発症者数や症状の重症度が高く表示が義務付けられている7品目[特定原材料]と、それに準ずる20品目 [特定原材料に準ずるもの]の合計27品目があり、これらをまとめて特定原材料27品目と呼びます。
卵、乳、小麦、そば、えび、かに、落花生
あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、カシューナッツ、ごま
ちなみに食物アレルギーの原因食品の割合は、鶏卵が1位、牛乳が2位、小麦が3位です。
(消費者庁 食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業参照:https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/65/7/65_942/_pdf)
何故アレルギー症状が起こるのか?
食物アレルギーは、原因食物を摂取した後に体内に侵入してきた異物に対して抗体“IgE”をつくり、これらを攻撃して体を守ろうとする働きで、この働きが、ある特定の物質に対して過剰に反応してしまう症状です。
アレルギーが重篤な症状を起こすことを知らない人もいる
食物アレルギーは、原因食物を摂取した後に体内に侵入してきた異物に対して抗体“IgE”をつくり、これらを攻撃して体を守ろうとする働きで、この働きが、ある特定の物質に対して過剰に反応してしまう症状です。
「アレルギー 体験談」とGoogle検索するとYahoo!知恵袋や教えて!goo、発言小町など、アレルギー体質の子供を持つ母親が「義父・義母がアレルギーに理解がなく、目を離しているうちに、孫にアレルゲン物質を使ったおやつをあげて、子供が病院に運ばれた」という質問などが何件も出てきます。
残念ながら、アレルギーをただの「好き嫌い」と思う方、「ちょっとくらいなら大丈夫」と認識が甘い方もいるようです。
1970年以前、アレルギーは珍しい症状でした。1970年以降から急激に増えたのは、経済発展による衛生状態がきわめてよくなったこと・大気汚染による環境の変化・食の欧米化が進んだから等、諸説ありますが、原因は定かではありません。
(参照:http://publichealth.w3.kanazawa-u.ac.jp/outline/sampo.no.40.pdf)
(参照:https://biz-journal.jp/2017/07/post_19753_2.html)
Twitterの小児科のお医者様のツイート。アレルギーの誤食による搬送は、医療の現場で発生しております。リプライでもアレルギーを持つ親御さん、アレルギーに関するトラブルがツイートされておりました。
アレルギー物質の摂取で死亡する場合もある
アレルギーの症状と一口に言っても様々です。皮膚のかゆみだったり、下痢だったり、くしゃみだったり……。重篤な場合は、全身の複数の臓器に症状が現れる「アナフィラキシー」が起き、最悪の場合は死亡にも至ります。
最近あった事例が、2012年調布市小学校で起きた死亡事故です。アレルギーを持つ女の子が、粉チーズ入りのチヂミを食べて、亡くなりました。
アレルギーは死亡事故を引き起こす可能性があり、十分な注意が必要ということを認知しなくてはなりません。
災害時、避難者全員がアレルギーに理解があるとは限らない
災害が起き、自宅が倒壊した場合、避難所で共同生活を営むこととなります。
東日本大震災などの過去の災害時、アレルギーを持つ方が、アレルギー物質が入った非常食を拒み、「緊急時に好き嫌いするな」など非難されたという事例も、報告されています。
トラブルの原因になるので、アレルギー体質の方は、災害時に備えて、特定原材料等27品目不使用の非常食を備えることを強く推奨します。
特定原材料等27品目不使用だから安心、と思わず、使われている原材料を見て、選んでください。人によっては特定原材料等27品目以外の成分でアレルギー症状が出る場合もあります。
避難所で持ち込んだ非常食を食べられる雰囲気ではない
東日本大震災で被災した方で、「避難所に食べ物を持ち込んだが、避難所で自分たちだけ食べるわけにいかず、困っている人にあげて、家に帰った」という経験談が投稿されていました。
参考:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1480098404
発災直後で救援物資がない体育館で、食事ができない方々がたくさんいる中、自分たちだけが持ち込んだものを食べるというのは難しいでしょう。また、「食べ物に困っているから譲ってほしい」という方がいたら、断りにくいと思います。
しかし、アレルギーを持つ方は、届いた救援物資が食べられるものかどうか分かりません。譲ってしまえば、自分の食事に困ってしまいます。
なので、自家用車がある方は自家用車の車内で食べる・自家用車がない方は、プライベートを確保できるテントを用意することをおすすめします。
アレルギーは命に関わるので、十分に気をつけなければならないという事実が、世間に認知されていない以上、トラブル回避のために、人目のつかないところでの食事も視野に入れましょう。
特定原材料等27品目不使用の非常食
尾西のアルファ米
シリーズのうち、 白飯、白がゆ、梅がゆ、田舎ごはん、わかめごはん、赤飯が、食物アレルギー特定原材料等27品目不使用食品です。
食べるには、お湯・またはお水が必要ですが、アルファ米は非常食の中でも1番人気です!
非常食とは思えない程美味しいと評判の尾西食品アルファ米シリーズ。
安心米
シリーズ10種(白飯、五目ご飯、わかめご飯、ひじきご飯、きのこご飯、山菜おこわ、野菜ピラフ、ドライカレー、白がゆ、梅がゆ)すべてが食物アレルギー特定原材料等27品目不使用食品です。
特定原材料等27品目を持ち込まないように厳密に管理した工場で製造しています。
様々な味をバリエーション豊富に備えておくことができるので、いざという時も嬉しいですね。
大潟村あきたこまち生産者協会食物アレルギー対応食シリーズ
あきたこまち生産者協会が作った特定原材料27品目不使用のアレルギー対応食。温めるだけで召し上がれます。
水を注ぐ必要がありませんので、被災時に大変貴重な飲み水を使わないで済み、スプーン付きなので、食器の用意もいりません。
スープは冷たいままでもお召し上がり頂けますが、温めると一層おいしく召し上がれます。
調理不要食 ユニフーズ
火も水も必要なく、待ち時間なしで、開封したらすぐに食べられます!
ライフラインが切れた時に、いつでも・どこでも、すぐにお召し上がりになることができる非常食です。 食器・スプーンもすべてセット。他に何もいりません。
The Next Dekade7年保存レトルト食品
食物アレルギー27品目と貝類不使用なので、アレルギーを気にすることなくお召し上がりいただけます。
また、企業や自治体様で備蓄食料を配布する際も、アレルギーに対して負荷なく配布することができるので、大量備蓄にもおすすめしたいレトルト商品です。
特定原材料等27品目不使用のお菓子
特定原材料27品目不使用のお菓子もあるんです。ストレス負担がかかりがちな避難生活には、甘いものが必需品。アレルギー体質の方も安心して召し上がれるお菓子をご紹介します。
質問したいのですが、アレルゲンフリーでも製造工場で作っている過程でアレルギー物質が混入してしまうというケースを聞きました。製造工場の過程でもアレルギー物質が混入されていない非常食というのはありますでしょうか?もしあれば教えていただきたいです。
原材料に使用していなくても、製造途中で混入してしまうことを「コンタミネーション(コンタミ)」と言ったりします。非常食にも、原材料に含まれている特定原材料等28品目の表示以外にコンタミネーションを載せているものが多くあります。例えばアルファー食品 安心米シリーズなどは、「食物アレルギー特定原材料等28品目を持ち込まないように厳密に管理された工場で製造しています。」という表記があります。
ただ、このコンタミに関しては、現在のところ表示義務はないので、表示してない食品もあります。コンタミネーション表示までしっかりしている食品を選んでいただければと思います。当店、あんしんの殿堂防災館では、その食品についてコンタミネーション情報があるものは、ページにも表記しておりますのでご参考ください。