大きな災害が発生しライフラインが途絶した時、日常生活で「アウトドア」の知恵が大いに役立ちます。昔から良く知られている智恵もありますが、いくつか抜粋してみましたので、今一度おさらいしてみましょう。
新聞紙や ダンボールの活用
急に冷え込んだりした時、応急対策として昔から登山者の間で知られているのが、一度クシャクシャにした新聞紙を胴体(肌着の上)に巻きつけること。インク汚れが気になりますが、そうも言っていられません。
ポイントはかならずクシャクシャにすること。空気の層をつくることで保温性が断然高くなります。
新聞紙とならんで、段ボールは優秀な保温断熱材。段ボールを切ってベストのような形状にして羽織るのも保温防風両面で効果的です。
また、目隠しや間仕切り、床に敷き詰め断熱材にする他、ガムテープでつなぎ合わせて小ぶりの小屋をつくれば優秀な保温シェルターになります。冬山登山のテントが小さいことからもわかるように、小さなシェルターは人がいるだけでも暖かいのです。
水の節約術
災害時は水が貴重です。そんなときの洗濯は、チャック等で密閉できるポリ袋に洗濯物と洗剤、水を入れて「もみ洗い」します。すすぎは水を入れて同様に。ただし脱水は手絞りになるので下着や小物向きです。
また、食事をした後の食器を洗うときの水の節約は、洗う前にペーパー類で拭き取るか、最後にパンで食器を拭いて食べてしまえばペーパーさえも節約。また阪神淡路大震災では、食器にラップをかけて使い、食後はラップを廃棄するという方法がスタンダードになりました。
ゴミ袋の活用
簡易型の雨具、ウインドブレーカーとしては、45リットルサイズ以上の大きなゴミ袋が使えます。それも頭を出す穴、手を出す穴を開けるだけ。(頭部は小ぶりのビニール袋で別途カバーする必要はあります。)これをウエストで縛れば風にも強く、動きやすくなります。
小さな子どもはこれで十分ですが、さらにもう一枚使ってスカートのようなものをつくれば、大人でも全身カバーできます。
ゴミ袋はなにかと役立つので非常持出袋には必ず入れておきたいものです。
機能性レインウエアの勧め
6月と言えば梅雨。近年は雨量が多いスーパー台風やゲリラ豪雨などにも注意が必要とよく耳にしますが、アウトドアの世界では、雨に濡れることは命の危険に直結するのでレインウエアは最重要装備です。
人は濡れると体温を使って乾かそうとします。水分は気化する際気化熱によって身体の熱を奪います。その結果体温がどんどん下がり低体温症になってしまう・・・怖いですね。
ですのでレインウエアは災害対策用も含め「透湿防水素材」(ゴアテックスが有名)がお勧めです。
防水しながら汗などの湿気を外に逃がしてくれるので、体が湿って体温を奪われることがなくなります。ちょっと価格は高めですがこれからの台風の季節に備えて1着用意されてはいかがでしょうか。
リュックの詰め方の知恵
あんどうりすさんは、アウトドアの知恵を伝える防災・減災の講演を日本中で行っていらっしゃる方で、当店の緊急笛「ヘルピ~」と車のガラス破壊ツール「レスキューミー」を愛用下さっています。
阪神大震災被災体験とアウトドアの知識を生かして、2003年より全国で講演活動を展開している、あんどうりすのWebサイトです。
またりすさんは災害用リュックはアウトドア用のリュックが良いとお勧めしています。両手が空くことはもちろん、ウエスト部分にベルトが付き、胸部分にチェストストラップが付いているので体に密着しやすく揺れないので他のバッグよりずっと軽く感じるからです。
そして、リュックに物を詰める際の注意としては「重たいものは上にいれる」です。登山の定石だそうですが、荷物の重心が高いほど軽く感じます。
中高生がストラップを長く伸ばしてリュックを腰の下の方で背負っているのを良く見かけますが、あれはリュックが揺れ、重さも相当感じているはず。
素早く避難するためには、ストラップは短くバッグは密着が基本なんですね。
自動車用緊急脱出・救出ツール「レスキューミー」
事故や災害などで車のドアが開かない場合や、シートベルトが外れない時に、車内から脱出・救出するためのキーホルダータイプの緊急脱出用ツール