
岩手県宮古市田老地区、たろう観光ホテルを舞台に、宮古観光文化交流協会の語り部・佐々木純子さんが証言しています。
鉄筋コンクリート6階建てのたろう観光ホテルには、津波が4階まで到達しました。1階と2階部分は完全に流され、エレベーター部分は後方に衝突するほどの威力だったといいます。田老地区はこれまでにも度々津波被害を経験してきた地域で、「万里の長城」とも称される大規模な防潮堤を整備し、避難道路も軽トラックが登れるレベルに整えるなど、備えを重ねてきました。定期的な防災訓練も行われていたといいます。
それでもなお、これほどの被害を受けたという事実は重く受け止められています。佐々木さんは、被災直後は「海が嫌だ」という気持ちにさいなまれたと振り返ります。しかし、生活や風土は人間にとって切り離せないものです。ある時、遡上してくる鮭の姿を目にした佐々木さんは、「また頑張ろう」と思えたといいます。この証言は、備えを尽くしてもなお襲いかかる災害の厳しさと、それでも故郷とともに生き続けようとする、人の心の強さを伝えています。

インタビューした人:(一社)宮古観光文化交流協会 語り部 佐々木純子さん
この記事を書いた人:20代 男性 N・N
施設・団体紹介
東日本大震災により6階建ての建物の4階まで浸水し、1・2階は完全に破壊されてしまった「たろう観光ホテル」。その姿から大津波の破壊力を感じることができます。このたろう観光ホテルは津波遺構として保存され、防災意識の向上のために活動している「学ぶ防災」ガイドにも活用されています。学ぶ防災では、津波が襲来する様子をホテル6階から撮影した映像の上映が行われています。
TOHOKU VOICEについて:本記事は、全社員130名が東日本大震災の被災地を訪れて記録した「TOHOKU VOICE」プロジェクト(全69話)の一つです。プロジェクト全体については「TOHOKU VOICE」をご覧ください。スタッフによる被災地視察レポートは「東日本大震災と被災地の記録」でご覧いただけます。
