
東松島市・石巻市で公益社団法人3.11みらいサポートの語り部を務める中井政義さんは、避難時の車の利用がもたらす危険について、実体験を交えて証言しています。
「津波は地震発生から1時間くらいでここに到達しました。このあたりの避難所は小学校でしたが、みんな車で向かったので大渋滞でした」。中井さんの長男もまた、車で避難する途中でこの渋滞に巻き込まれました。「命は助かったけれども、車は水没したし、一歩間違えれば流されてしまっていたというタイミングでした」。長男は最終的に車を乗り捨て、近くの民家の上に登って一命を取り留めたといいます。
この体験から、中井さんは強く訴えます。「だから避難時は車を使ってはいけない」。車社会である以上、多くの人が車で避難しようとしますし、車を手放すことに抵抗を感じる気持ちも理解できます。しかし、「流されたらもったいないと思うんでしょうけど、それが命取り。ものと命とどっちが大事ですかって話です」。日常の感覚では当たり前の判断が、災害時にはそのまま命取りになりかねない――中井さんの言葉は、避難行動の基本原則を、鋭く、そして分かりやすく突きつけています。

インタビューした人:東松島市・石巻市で語り部をされている中井政義さん
この記事を書いた人:30代 女性 A・N
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3.11みらいサポートは、2011年3月11日の東日本大震災発生後に発足した「NPO・NGO連絡会」の事務局機能からスタートし、2011年5月13日に前身となる「石巻災害復興支援協議会」として設立されました。3.11みらいサポートでは、東日本大震災について学びたい方に向けて、震災学習プログラムを行っております。
TOHOKU VOICEについて:本記事は、全社員130名が東日本大震災の被災地を訪れて記録した「TOHOKU VOICE」プロジェクト(全69話)の一つです。プロジェクト全体については「TOHOKU VOICE」をご覧ください。スタッフによる被災地視察レポートは「東日本大震災と被災地の記録」でご覧いただけます。
