2011年の東日本大震災で、日和幼稚園の送迎バスに乗っていた5名の園児が津波と火災に巻き込まれ、命を落としました。佐藤美香さんは、その中の一人、6歳の長女・愛梨さんを亡くされたご遺族です。日和幼稚園遺族有志の会として、語り部活動を続けている佐藤さんの証言は、学校・保育園における防災体制のあり方を問い直す、重く、そして大切な教訓を私たちに投げかけています。
#021 恐怖の中でも後悔しない行動ができる強い心
佐藤さんの証言を聞いたTOHOKU VOICEの取材メンバーは、「その場にいたならば、自分ならどうしただろうか。冷静な判断ができただろうか」という問いを強く感じたといいます。証言の中では、我が子を見つけた母親たちの様子も語られました。防災の知識があったとしても、実際の災害時にはマニュアル通りにいかないことがある。だからこそ「恐怖の中だったとしても、後悔しない行動ができるように、強い心を持っていたい」という思いが、この証言の核にあります。
この話を取材した人:40代 女性 T・K
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#023 未来の子供達の安全のために
2011年の震災当時、日和幼稚園には多くの園児がいました。園は、園児たちを帰宅させる判断を下します。その結果、愛梨さんを含む5名の園児が乗った送迎バスが津波に巻き込まれ、その後発生した火災にも遭ってしまいました。佐藤さんたち遺族がつくった慰霊碑には、亡くなった子どもたちの名前を散りばめた詩が刻まれ、「あなたの笑顔にまた会いたい」という言葉で結ばれています。佐藤さんは、朝に元気よく「行ってきます」と笑顔で出かけていった愛梨さんの姿が、今も忘れられないと語ります。この記事では、この出来事が地震そのものではなく、園側の判断による人災としての側面を持つことが強調されています。
この話を取材した人:40代 男性 Y・O
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#024 子供たちは大人の判断でしか行動できない
地震発生時、愛梨さんは高台に位置する幼稚園にいて、津波の被害を免れる場所にいました。しかし、送迎バスで低地へ連れ出される際に、津波に巻き込まれてしまいます。佐藤さんは「子供たちは、大人の判断でしか行動できないんですよね」と語ります。「大人の言うことをしっかり聞いて行動したばかりに、私たちの子供たちは亡くなってしまって」という言葉には、従順であったことが悲劇につながってしまったという、深い無念さがにじみます。それでも佐藤さんは、将来娘に「頑張ったね」と言ってもらえるよう、語り継ぎを続けています。命の犠牲の上に成り立つ教訓は、本来あってはならないものであり、娘は教訓のために生まれたわけではない。そう前置きしながらも、佐藤さんはその教訓を、これからの子どもたちの安全のために活かしてほしいと願っています。
この話を取材した人:30代 男性 T・I
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#052 このような悲劇が起こらないように
地震発生時、幼稚園は高台にあり、園児は全員無事に園内にいました。しかし津波警報が出ている中、送迎バスで園児たちを海側の方向へ帰宅させようとする判断がなされます。バスは、途中で普段は立ち寄らない門脇小学校に立ち寄りました。この時点で園児を幼稚園に連れ戻す機会があったにもかかわらず、それは実行されませんでした。その後バスは、小学校から幼稚園へ戻る途中で津波と火災に巻き込まれ、園児たちは命を落としてしまいます。さらに記事では、バスの運転手が自力で幼稚園に戻ったにもかかわらず、園児の安否について伝えず、園長をはじめとする先生たちも園児たちの居場所を確認せず、救助活動も行われなかったことが指摘されています。被災現場では、夜10時頃まで「助けてー、助けてー」という声が聞こえていたという目撃証言も記録されています。
この話を取材した人:20代 男性 Y・S
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4話を通じて伝わること
佐藤さんの4つの証言に共通するのは、「子どもは大人の判断でしか行動できない」という事実の重さです。日和幼稚園の事故は、地震という自然災害そのものよりも、その後の避難判断・情報共有・救助対応という「人の判断」が生死を分けてしまった痛ましい事例です。学校・保育園という現場に関わるすべての方に、判断を委ねられた大人の責任の重さを伝える証言として、ぜひ読み継いでいただきたい内容です。

インタビューした人:日和幼稚園遺族有志の会 佐藤美香さん
TOHOKU VOICEについて:このインタビュー集は、全社員130名が東日本大震災の被災地を訪れて記録した「TOHOKU VOICE」プロジェクト(全69話)の一部を、証言者ごとに再編集したものです。プロジェクト全体については「TOHOKU VOICE」をご覧ください。スタッフによる被災地視察レポートは「東日本大震災と被災地の記録」でご覧いただけます。
